額作り&美術館放浪記

フレスコ画の

支持体の大きさは油彩などで一般的に使用されているキャンパスと比較すると厚みや大きさが異なります。

また、一般的に市販されている額は、油彩や水彩画などに合うようにデコレーションや色艶など考えられて作られています。

その為、市販の額をフレスコ画に当てはめてしまうと、似合いません。

よって、絵にあった額を作らなくてはならないのです。。

時間があるときはなるべく額を製作しています。

下がその流れです。木材を絵の大きさに合うように45度にカットし、張り合わせていきます。

ここま出来上がってきたら、彫刻したり、型に石膏を流し込んだり、粘土を使用したりしてモデリングを施し、色を塗って完成です。

今回製作した額は有楽町の交通会館に現在展示しています。
会期は’13 3/17~23迄です。詳しくはInfomationにて☆

 


☆美術館放浪記☆

先日上野の東京都美術館にてスペインを代表するエル・グレコ展を見てきた。

初期の作品は肖像画などごく一般的なモチーフで当時の風流にあった作品が目に付いた。

しかし、ここですでに絵の中で使用されている”白色”の使い方に特徴があった。

中盤から絵の風貌に変化が見え始めた。「受胎告知」の題で描かれた作品が二点並んでいた。

「受胎告知」とはキリスト教の新約聖書に現れる、マリアの元に天使ガブリエルが降り精霊によってイエスを身籠るまたはお告げを聞く場面である。

左の方は人間の肉体の常識的な比率で描かれており、マリアの元に天使が下りてと言った物語性が見えた。

右の方はマリアや天使の肉体比率が変形され、色彩が流動性を帯びており、左の絵のようにただ単に物語性を伝えるのでなく、それ以上に人間の創造した世界観を超越した意味を示唆さすべく思惑が表現されていた。

絵に物語性を与えると、弱くなる。

絵の中に次へとの繋がり性が作られてしまい、それの瞬間的な力が弱く表現されるからである。

 

最後にあったのが「無原罪のお宿り」である。上の画像がその一部である。

この絵で不思議だったのが、まず陰影である。

通常、光とその対比する闇を交差させて描くと、人間の煩悩が浮き出しに表現される。

悲しみや憎しみ、痛み等を絵から伝わってしまうのが一般的である。しかしこの絵からはそれが感じ取れなかった。

これは凄いことである。その秘密は先ほど挙げた”白色”に答えがあるように思えた。

白色がすべて流動性を持って使用されているからである。一つとしてべた塗のような静止した白色を使用していない。

筆跡が斬新に使用されており、それが断続的に照らす光のような効果を与え燦々と輝き続けている希望のような感覚にとらわれる。

そして構図だが、遠近法の焦点が上部に置かれていることだ。上部の焦点の座には幸せのシンボルである”鳩”が描かれており、そこから照射された光に向かって全てが昇華されている様に感じた。

その焦点に向かって人体も引き伸ばされ、マリアの顔を小さく足に向かって大きく描かれており、これも昇華を促すような遠近法の技法が見られた。

ここで出てきた遠近法だが、通常遠近法は遠い背景の空気感を表現する為に用いられることが多い。また、一神教の宗教画を描かれるときに遠近法の中心には”神”がいると示唆できるためでもある。キリスト教などの一神教の画風に遠近法が多いのもその為でもある。有名な絵にダビンチの「最後の晩餐」などがそうである。

全てが計算され描かれたと思われるこの「無原罪のお宿り」はグレコの最高傑作とも言えるだろう。

 

 

  • Posted on 2013年3月20日 01:18
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